山口県萩市
下水事業
ハイブリット形
公開日:2024.08.26
場 所:山口県萩市字堀内325番地3
排水面積:87.2ha
排水能力:10.7㎥/s
供用開始:令和2年5月
風情ある古い城下町の風景と豊かな自然が調和した、水の都 山口県萩市は三角州の上に発達した水の都であり、防長二州の中心として栄えました。その後は明治維新の原動力となった志士を排出しています。歴史的な建造物といった景観や伝統文化・祭礼・生業は今なお息づいており、どこを取っても「絵」になる街並みです。
堀内雨水ポンプ場は、歴史的建造物が多い地区に設置され、過去に水害に見舞われた地域の浸水被害を解消するために建設されました。ポンプ場の設計は、歴史的な景観や法律を尊重しつつ、効率的な排水能力を実現しています。このポンプ場は、ハイブリッド式で、以前の施設より6倍の排水量を持ちます。また、建設工程は既存水路を利用し、自然流下と強制排水機能を組み合わせることで、効率的で安全な施工を可能にしています。
このポンプ場はハイブリッド式で、既存の約6倍の排水量を持ちます。ポンプ施設の設置には仮設排水設備が必要ですが、ハイブリッド式では既存水路を利用しつつポンプ井定置式を先行設置し、効率的な施工が可能です。この方法により、施工中の排水能力の低下を最小限に抑え、短期間かつ安価な施工が実現できます。さらに、不慮の降雨時でも安心して施工を進めることができます。堀内雨水ポンプ場は、気候変動への対応として安全な暮らしを実現するための施設であり、SDGsの目標に沿った強靭な社会構築の一例として、国内の浸水対策のモデルになると期待されています。
堀内雨水ポンプ場は、「国選定重要伝統的建造物群保存地区」に位置しており、中心市街地にも重なる活動的な区域です。このポンプ場は地域住民の生命と財産を保護する重要な施設であり、同時に歴史的建造物と調和した景観を形成する役割も担っています。同ポンプを通して、「人とまち、伝統的価値を守る」という使命を果たすことを目指しています。